V2Hを導入することで、EVやPHEVの大容量バッテリーを家庭の非常用電源として活用することが可能になります。これらのバッテリーは大容量であり、車種によっては数日分の電力を供給することができます。また、太陽光発電を設置している場合、停電時でも昼間に発電された電気をEVやPHEVに蓄え、夜間に家庭へ給電することができます。
夜間の電気料金が安いプランに加入している場合、夜間にEVやPHEVを充電し、昼間に家庭でその電力を利用することで、条件次第では電気代を節約することが期待できます。もちろん、EVやPHEVの走行コストも節約できます。さらに、太陽光発電を設置している場合、余剰電力をEVやPHEVに蓄えて利用することで、卒FITの家庭にとって特に経済的です。
多くのV2H機器では、EVやPHEVの充電時間を大幅に短縮できます。一般的な200Vコンセント(3kW出力)と比較して、6kW出力の場合、最大で2倍の速度で充電可能です。これにより、EVやPHEVを頻繁に使用する人にとって非常に便利です。
近年のEVやPHEVのバッテリーは、数百kmの長距離走行に対応できるほど大容量になっています。しかし、その大容量バッテリーは走行していない時間帯には「置物」になってしまい、非常にもったいない状況です。この「もったいない」を解消するのがV2Hです。V2Hを導入することで、普通の蓄電池に比べて数倍から数十倍の容量を持つEVやPHEVのバッテリーを家庭用電源として活用でき、停電時の非常用電源として役立つほか、電気代の節約も期待できます。また、V2Hを導入することでEVやPHEVの充電がより速く効率的に行えるようになります。
V2Hのデメリットとして、導入には高額な費用がかかります。しかし、それはV2H機器が高機能で、その価格に見合った性能だからです。また、設置工事費は電気配線や家庭環境によって異なりますが、最適なシステム設計が可能となり、長期的に効率的な運用が期待できます。さらに、太陽光発電設備を併用することでエネルギー自給率を高め、将来的な電気代の削減にもつながります。このように初期投資は大きいものの、多くのメリットを考慮すると、V2Hの導入は非常に価値のある選択といえます。
システムの性質上、V2H機器の設置場所はEVやPHEVと自宅の中間に位置する必要があります。具体的には、自宅のガレージに設置することになる場合が多いです。そのため、ガレージが小さいとV2H機器を設置することにより、車が駐車できなくなる可能性もある点には注意が必要です。導入を検討する際には、駐車スペースと車のサイズを測っておくほか、充電ケーブルが車の給電口に届くかといったシミュレーションを行う必要があります。